sebone2019レポート:開発ビル

●高校生プロジェクトDreamWeaver (2)

作品名「まぼろしを巡る旅」

本年5月、小坂井高校と豊橋東高校の美術の授業において、また各月に一回「みずのうえ」(※1)というスペースを活用し、ワークショップを開催しました。
時間の経過。その機微を感じ取るように努めて街を歩けば、刻々と変容する風景というのはあります。たとえば、とよはし都市型アートイベントseboneの展示会場付近である駅前大通りの再開発を見ても、そう思います。私たちの身体でさえ、変化によって機能を維持しているのだから、「ゆらぎによって定着する現在」というイメージは、自分のこととしてまちの風景と重ねてみることも出来る。そうして私は、「まぼろし」という言葉と向き合う。「まぼろし」を広辞苑で引くと『①実在しないのにその姿が存在するように見えるもの。幻影。はかないもの、きわめて手に入れにくいもののたとえ。』とあった。今度のワークショップを通して思うのは、「まぼろし」の所在は常に現在の最先端にあるということ。そして、ライブ感を失った「まぼろし」は「想起」と言った方がいいかもしれない。8/31・9/1の展示において、ワークショップ参加者の行為の集積は、私たちに何を想起させるだろう。

(※1)『「みずのうえ」は、あいちトリエンナーレ2016における豊橋会場のビジターセンターとして水上ビル(大豊ビル)に整備されたスペースです。』(とよはし都市型アートイベントsebone HP みずのうえについて)

伊藤拓郎 / Ito Takuro
1994年生まれ。愛知県豊橋市に生まれ育つ。
2018年 金沢美術工芸大学 美術科 彫刻専攻 卒業

主な展示
「Good Luck」 芸宿(2016)
「伊藤拓郎作品展」豊橋信用金庫 藤沢支店(2018)
sebone2018 まちじゅう図書館 関連企画(2018)
「都市のイ・ド」 みずのうえ(2019)

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